【自己紹介⑨】日本チャンピオン

前回のブログの続きです。

発表会見

1月にチャンピオンカーニバルの発表会がありました。

会見会場で中川と会い、なんだか少し照れ臭かったです。

会見では、つい最近一緒にラーメンを食べに行ったこともあり

中川が「負けたらラーメンおごりな」と半分冗談で言ってきました。

僕もそれに乗り、負けた人がラーメンを奢る約束をしました。

会見が終わり、そろそろ帰ろうとしていると中川の所属ジムの会長さんが話しかけてきました。

会長さん「試合では友達関係ないからね。」

後腐れなくガチンコで勝負をしようってことだと理解し、

もちろんこっちだってそのつもりなので、「こちらこそです」と返事をしました。

自己催眠

今まで、タイトル以外にも大事な試合をことごとく負けているのは原因があるはずです。

その原因は気持ちだと思いました。

”1ミリのスキもないほど、気持ちを強く持っていこう”

今までの自分に勝つために、そして友達と戦う自分に勝つために中川に勝ちたいと思いました。

この試合のテーマは殺し屋の目になることです。

友達の中川相手にその目が出来たら、次に対戦するすべての選手にその目ができると思いました。

自分自身に催眠をかけるように、朝のロードワークの時も、夕方のジムワークの時も、道をあるいている時にも、「リングに入ったら殺し屋になる」と頭の中で唱えていました。

(危ないやつですよね。。。)

計量

計量の日、発表会で会ったぶりに中川に会います。

”今日はちょっと近寄りがたい顔していよう”

そう思い会場に入ると、すでに会場入りしていた中川が笑顔で「おう」と挨拶してくれ

僕もつい笑顔で「おう」と返しました。

一瞬で作戦失敗です。

記者の方にフェイスオフのにらみ合いを求められましたが、なぜか中川が笑ってしまいダメでした。

計量は、お互いリミットの体重でクリアして無事に終わりました。

その夜、家でリラックスしていると中川からLINEが来ました。

”試合前になんだ!?”と思い開くと

中川「親友だから言うけど、おまえ鼻毛出てたぞ」

(鏡を見て)確かに出てる...

あいつが終始笑っていた理由がわかりました。

もっと早く言ってほしかった...

日が空け、前日のLINEでのやり取りは忘れて試合に集中しました。

(鼻毛はしっかり処理しました)

2017年3月22日 試合

今日チャンピオンになれなかったら、僕はボクシングを引退することになる。

”絶対にチャンピオンになってやる”

気持ちを整え会場に入り、試合前のアップでは過去最高に調子が良かったです。

この日まで全てにおいて、後悔ないように過ごしてきました。

入場曲がかかり、殺し屋のスイッチに切り替えてリングイン。

チャンピオンの中川も入場が終わり、いよいよ試合が始まります。

ゴングが鳴り、序盤の駆け引きをしていると3Rに頭同士が当たってしまい中川はまぶたを切って流血しました。

以前だったら、ごめん!と思っちゃうところですが、しっかり殺し屋の気持ちをつくれていたのでお構いなしでした。

インターバル中、セコンドと作戦を立て途中で止められないように5Rまでは攻めに行き過ぎないようにしました。

5Rまでに偶然のバッティングなどの傷で試合が止まったら、ドローになりベルトを獲れないからです。

5Rが終わり、ここからは積極的に戦いにいき

7RKOで勝利し念願の日本チャンピオンになりました。

後になって思いますが、守る立場と獲りに行く立場では、圧倒的に獲りにいっている方が気持ちをつくりやすいです。

相手が友達ならば、なおさらです。

実力というよりも気持ちで勝った試合でした。

試合後

控室に中川が来てくれて、「ありがとう」と言われました。

僕はなんて言ったらいいのかわかりませんでした。「ごめん、いや、ありがとう」

中川は「世界に行けよ」と言ってくれました。

あいつは本当に友達思いのいい奴です。

翌日

約束通り、ラーメン二郎に行きました。

目黒で待ち合わせをすると、お互い傷やたんこぶがあり笑いました。

このとき、試合で頭が当たり傷で流血させてしまったことを謝りました。

二郎に着くと、普段の行列がなくラッキーと思いましたが、

まさかの定休日でした。。。

何を食べたいか聞かれ、大好物のカレーを食べに行くことにしました。

おしゃれなカレー屋さんでランチをして、カフェでパフェを食べて帰りました。

後腐れなく、試合が終わってよかったと思いました。

この時の戦績は34戦27勝19KO7敗

獲得タイトルしたは第39代日本スーパーフライ級チャンピオン

コメント

タイトルとURLをコピーしました